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脊髄損傷(脊髄性麻痺)の回復と合併症について

脊髄がもとになっておこる麻痺の原因

①怪我や交通事故、転落事故などの外傷(脊髄損傷)
②腫瘍が脊椎や脊髄にできた場合
③脊髄にいく血管がつまった場合
④脊髄への圧迫(靭帯骨化症、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症など)
⑤脊椎の炎症
⑥その他(先天異常、脱髄性変性疾患、代謝性疾患など)

 

麻痺の回復

麻痺の回復については、脊髄の破壊が完全かもしくは不完全かで大きく変わってくることがあります。
脊髄の損傷が完全であれば麻痺は残る場合が多いですが、脊髄の損傷が部分的であれば機能がもどる可能性があります。

 

・怪我をしてから2年間はいくらかの変化がおこることがあります。
・脊髄の破損が大きいほど回復の機会は少なくなります。
・完全麻痺であれば回復の可能性は低くなります。
・麻痺が長時間続いているようであれば回復の可能性は低くなります。
・麻痺の回復するスピードが遅ければ完全回復は望みにくくなります。
・脊髄損傷後の変化は怪我をしてから3か月間ほど変わる可能性があります。

 

麻痺は最初のうちはだらっとした(弛緩性)麻痺ですが、しだいにこわばったような痙性が伴う麻痺になることがあります。
また何かの拍子に膝が伸びたり曲がったり震えたり、反射(自動的・不随的運動)がおこることがあります。
残った機能レベル、残存機能の維持向上を目指しながら、できるだけ早く麻痺と障害を持ったままでも社会生活に戻ることが大切です。

脊髄性麻痺の合併症

脊髄損傷で麻痺のある場合に特有に見られるいくつかの「病的な状態」が知られています。
これらを合併症と呼びます。
この合併症の予防こそが麻痺を持って社会で生活するうえでの課題でもあります。

 

①尿路機能障害
腎臓で作られた尿が尿管を通って膀胱に溜められて、括約筋がゆるむと膀胱が収縮して尿道から体の外に排出されるまでの道筋を尿路といいます。
膀胱は尿を溜める袋の役目と、収縮して体外に尿を押し出すポンプの役割の2つを持っています。
これらの役目が麻痺いよってはたせなくなり、括約筋麻痺と重なって、正常な排尿が難しくなった状態を「神経因性膀胱」といいます。

 

②縟瘡(とこずれ)
通常であれば座っていても寝ていても、一定の時間が来ると無意識に体を動かし、体の特定の部分に長い時間圧力がかかるのを防いでいます。
これに対して、痛みの感覚がなかったり、自由に体を動かすことができないような場合には体の特定の部分だけに長い時間圧力が加わり続けます。そうなると気付かないうちにその部分に血液がいかなくなって、皮膚を含めた組織が死んでしまいます。(壊死)
縟瘡は脊髄損傷に最もよく見られる合併症の1つです。
特に縟瘡ができやすい部分を「好発部位」と言って、骨の突出しているところが代表的です。
縟瘡はできてしまえば手術を必要とする場合も多くなるため普段から縟瘡の好発部位に患者さん自身はもちろん介助をする人も常に注意をむけておく必要があります。

好発部位:肘(肘頭)、腰骨(腸骨稜)、ひざがしら(骨蓋骨)、うちくるぶし(足首の内側)、足指、すね(脛骨前縁)、大転子、肩甲骨の内側(肩甲骨内側縁)、仙骨部、尾骨部、座骨部、踵、外くるぶし など

 

③排便機能障害
麻痺になると、便が直腸に溜まった感じ(便意)を感じにくくなり、腹圧をかけることができなくなるため、排便のコントロールが難しくなります。
また歩くといった活動がなくなるため、大腸全体の蠕動運動も不活発になりがちで、一層、排便が困難になってきます。

 

④起立性低血圧と自律神経反射
これは自律神経障害でおきます。
麻痺レベルが高い四肢麻痺などの人に多く、下半身や内臓に行く血管を収縮させる神経が麻痺しており、血液が下半身や内臓に溜まったままになり、姿勢の変化にうまくついていけず、血圧が下がって一時的に脳貧血の状態になるからです。
これを起立性低血圧といいます。
また反対に血圧が上昇しすぎる場合もあります。
膀胱内に尿がたまりすぎたり、便秘が続いたりすることが引きがね(刺激)となって、反射的に血圧が上昇して頭痛がしたりときには危険な状態にまでなることもあります。これを自律神経反射といいます。

 

⑤呼吸機能障害
四肢麻痺や麻痺のレベルが高い対麻痺の人では、肋骨の間の筋肉や腹筋も麻痺しています。しかし横隔膜は麻痺していないので息を吸う動作はでき、普通の日常生活をするうえでは大きな支障になりませんが、肺活量を測定すると健常人よりも大きく下回っていることがあります。
また息を吐きだす機能は吸い込む機能に比べて大きく障害され、咳き込むことが難しくなるため痰が肺の中に貯まりやすくなり、重い呼吸器感染症(気管支炎や肺炎)にかかりやすくなります。

 

⑥体温調節機能障害
麻痺した部位の発汗がなくなり体温の調節ができなくなることがあります。

 

⑦骨に及ぼす影響
骨に体重がかからなくなったり、血液の循環が悪くなったり、骨の組織に栄養がいかなくなったりして造骨機能が(骨を新しくつくる働き)が低下し、骨の中のカルシウム成分が低下し骨が萎縮していくことがります。(二次性の骨粗しょう)

 

 

 

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